鋼の翼

硬いようで脆いメンタルヘルス系大学生(♂)のブログです

「普通」の大学生があえて「不登校小学生ユーチューバー」を擁護してみる

どうも、寂しがりエアムードです。

今回は巷で話題の「不登校小学生ユーチューバー・ゆたぼん君」についてです。

多くの著名人や教育関係の方、親御さんなど、様々な意見が飛び交っていますが、

私はあくまで「普通」の大学生として、意見を述べたいと思います。

 

確かに学校は「だるい」し、嫌な思い出ばっかり

まず議論に入る前に、私の立場を明確にしておこうと思います。

私はどちらかと言えば、学校が嫌いでした。

私は高校までずっと公立校に通っていたのですが、

いつも「なんでこんなことに従わなければならないのか?」と思っていましたし、

周りに合わせるのが嫌でたまりませんでした。

不登校ではないものの、年に10日は休みながらなんとか通っていたようなタイプです。

他の記事を読んでいただければ分かるように、辛い学校からの逃げ場として、

音楽や文学、ネットやゲームにのめりこむような灰色の毎日でした。

 

結局、私は一年浪人して都内でもそれなりとされる大学に入学しました。

そこで、大学の友人たちとの育ちの差に愕然とします。

テレビでしか聞かないような中高一貫の名門校や都内のトップ校の友人の中で、

神奈川の自称進学校出身の自分は明らかに浮いていました。

入学当初、自己紹介で「よくそこから入ったね笑」と言われたこともありました。

(流石にカチンと来ましたが)

 

でも、今はそんな学校生活を全否定は出来ない

そんなエリートの彼らと付き合っていると、彼らが恵まれた環境の中で、

のびのびと育ってきたことを感じました。

やりたいことをやっても何も言われない、

出る杭の叩かれない中で育ってきたのでしょう。

当初、そんな彼らを私はかなり羨んでいましたし、嫉妬していました。

「私は行きたくもない学校で、もがき苦しんできたのに」と。

 

しかし、彼らとずっと一緒に過ごしていると、

徐々に彼らの弱点が分かるようになってきました。

 

一番顕著だったのは、彼ら/彼女らに「恋愛のノウハウ」が全くないことです。

見るからの地雷に、超優秀なエリートたちは引っかかっていきます。

絶対関わり合いになりたくないタイプでも、盲目的に好きになってしまいます。

逆に、己にものすごい自信を持っているタイプもいます。

「なぜその容姿で、アニオタで、そんなに君は自分がモテると思うの?」と

思わず言ってしまいたくなるようなやつがいっぱいでした。(流石に言いませんが)

 

「普通」に考えれば分かるはずなのに。頭はめちゃくちゃいいのに、なぜなのだろう。

ある時、私は悟りました。

「ああ、これが無理にでも嫌いな学校に通った意味なのだ」と。

 

公立の学校(特に小中学校)は、人種のるつぼです。

だから、いい意味でも悪い意味でも人を見る目が養われます。

でないと、厳しいスクールカーストの中で生きていけないからです。

同時に、周りに多様な人種がいるほど、自己評価も相対化されます。

ヒョロガリがいくらイキっても、柔道部のDQNには勝てません。当たり前のことです。

 

「普通」の価値

「学校が嫌だ」という子は、原因がどこにあるかはそれぞれ違うだろうけど、

「自分が周囲と馴染めない」からだと思います。

周囲と違う。自己表現できない。そういう息苦しさを感じているのだと思います。

 

しかし、社会ではそれを「普通」だと思って(もしくは何も思わず)

生きていく人たちが圧倒的なマジョリティです。(数でも力でも)

だから、社会のマジョリティに近い環境で育つほど、人は自然と丸くなっていきます。

流れの速いところほど、岩が丸くなっていくように、です。

 

私は当時、それをすごく空しいことだと思っていました。

経済的に豊かでない人間は、個性すら伸ばせないのか、と。

しかし、上記の通り「普通」という感覚は今になって案外役に立っています。

 「普通が一番」みたいな薄っぺらい主張をするつもりはありませんが、

世の中で最も力のある「普通」を知っておくのは悪いことではないと思うのです。

 

なんで大の大人がそこまで叩くのか

話を戻しますが、だからこそ、私はゆたぼん君みたいな子がいてもいいと思うんです。

辛いなら逃げてもいいし、辛くても立ち向かってもいいし。

子供たちが彼に影響されてもいいし、反発してもいいし。

 

でも社会で生きていく以上、どこかで「普通」じゃないつけを払わされるんですよね。

悲しいけど、ずっと尖ったまま生きていけるのは本当に一握りの人だけだと思います。

 

だから、それが一番分かってるはず大人たちが

この件に目くじらを立てているのが私には理解できません。

「何で10歳の子供に、いい歳してガチギレしてんの?」って思うのです。

甘いなら甘いで、青臭いなら青臭いでいいじゃないですか、子供なんだから。

(確かにお父さんはキモいですけど、キモい親なんて無限にいますよね) 

 

とにかく。誰だって若気の至りはあると思うのです。

たとえ彼の主張とやり方に色々問題があるとしても、

「小学生の子を社会全体で叩くのは流石にヤバい。トラウマになって将来自殺でもしたらどうするんだ」という私の感覚はおかしいのでしょうか。

それに過度な社会の反応は、彼が自分を相対化する機会を奪いかねないと思います。

 

今回の炎上は、本人を苦しめ、父親がほくそ笑むだけの結果に思えてなりません。

ちょっとみんな頭を冷やした方がいいんじゃないのかと思うのです。